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落とし込みブログ
~落とし込みやらないときはこんな日々~
カニもいない海
 これ、

大岩ガニ



博多湾を巡ってふと見つけた。
側溝の水が落ちてくる潮だまりに小石が10個ほど。ほぼ砂地にわずかに泥が混じる場所だった。


石をはぐって出てきたのが、今は大型のこの岩ガニ(ケフサイソガニ)。わずか数匹なので元に帰したが、さみしいねー。


また、昔話になるが、こんなサイズのカニは30年前にはたくさんいた。

甲羅1cm程度のは今でもいるのだが、それより大きいのとなると探すのが難。

まして、写真のサイズとなると、まぼろし。


原因は釣り人と釣り具店の採取が挙げられるが、それより根本的な壊滅を招いたのが、香椎パークポートと、和白人工島(アイランドシティ)の建設だ。


建設以前から環境悪化は予想されていたにも関わらず、行政とそれにひもづけされた学者調査グループの環境アセスメントは「環境は保全される」の一点張り。
 
曖昧なことばをいじくっての強引な着工ありきだったから、反対派がなんと言っても今の沖縄と一緒で着工は進められるのだった。



僕の記憶もあいまいになっているので記録を掘り起こすと、博多沖防の横の埋め立て地:香椎パークポートが昭和63年に着工。人工島は平成6年に着工となっている。

それらができる前までは、多々良川河口干潟から香椎御島崎海岸、香住ヶ丘の磯から続く和白干潟と、香椎浜埋め立て地を除き、ほぼ自然の海岸が殆どだった。

和白干潟は人口増により少しずつ汚染されてはいたが、それでも潮の入れ替えが頻繁な泥が混じった砂が広がる干潟であった。


当然、生息する様々な生物は豊富で、言わば海のゆりかごの役目をそれぞれの海岸や干潟が果たしていた。


数ヶ月前のこと、
昔、よくカニを採りに行っていた香椎の御島崎の海中鳥居の下へ行ってみようと、護岸から干潟に足を踏み入れたとたん。

履いていたゴム長が全部ズブズブといぼる。

とっさに足を上げたからよかったものの、昔の勢いでいきなり足を踏み込んだら、きっと全身、泥の中だった。

当然、そんなところにカニも岩虫も生きられない。



悲しいかな博多湾。

便利さと引き替えに、ゆりかごは土とコンクリの下になり、残った海も深いヘドロとなった。二度と元の姿には戻らない。


穴から出てきた小さなカニが干潟中で一斉にバンザイを繰り返す光景。
誰が音頭をとっているんだろうといつも不思議だった。

あの頃、干潟から聞こえていたピチピチという無数の命のつぶやき。


いまはもう僕の記憶の海でしか聞こえないのだろうか。


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